森の生態研究所のURLは、2021年1月21日より下記のように変わりました。

      https://morinoseitai.com



5.高尾山季節情報(9月30日更新)

 高尾山の9月は、中旬位までは晴れた日が多かったですが
、日中晴れて夕方から翌明け方にかけ雨の降る日が時折あ
りました。一月の雨量としては例年に比べやや少なかったです
。気温は中旬位までは暑さが続きましたがこれ以降は徐々に
下がってきました。このような気象条件のもと植物では夏から
秋にかけ咲く草花が多く見られ、この他秋に咲く草花などが見
られるようになりました。また鳥類については移動途中の夏鳥
などが確認され、分布を広げている鳥などが見られました。哺
乳類ではフィールドサインなどが確認されました。両性爬虫類
ではトカゲなどが見られました。昆虫類ではチョウ、ハチ、アブ
などが目立ちました。
 植物では、ツリフネソウ、オオヤマハコベ、ミヤマタニソバ、ト
ネアザミ、ノハラアザミ、ノダケ、シモバシラ、オクモミジハグマ、
ヤマホトトギス、シロヨメナ、ノササゲ、ヤマハッカなどの草花な
どが見られました。
 鳥類では、夏鳥のクロツグミなどが確認され、イソヒヨドリ、
リュウキュウサンショウクイなどが確認されました。
 哺乳類では、ムササビの食い痕などが確認されました。
 両性爬虫類では、ヒガシニホントカゲなどが見られました。
 昆虫類では、モンキアゲハ、オナガアゲハ、アゲハ、オオ
チャバネセセリ、イチモンジセセリ、ルリタテハ、スミナガシ、
クロヒカゲ、ウラギンシジミ、ウラナミシジミ、ヤマトシジミ、
バラハキリバチ、オオスズメバチ、トラマルハナバチ、 ナミ
ホシヒラタアブ、マルボシヒラタヤドリバエ、ホソヒラタアブ、
ハサミツノカメムシ、アオマツムシ、カンタン、アキアカネなど
が確認されました。



 ・鳥類(主なもの)

留鳥 ヤマガラ、シジュウカラ、エナガ、メジロ、イカル、コゲラ、キツツキの一種、ウグイス、セグロセキレイ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、キジバト、ハシボソガラス、アオバト、トビなど
夏鳥   クロツグミなど
分布を広げている鳥?  リュウキュウサンショウクイ、イソヒヨドリなど
かごぬけしたり、放鳥されたものが野生化した鳥 ガビチョウ、ソウシチョウなど

 9月は、移動途中のクロツグミなどが確認されたり、分布を広げ
ている?リュウキュウサンショウクイ、イソヒヨドリなどが確認されま
した。
 クロツグミは、中国南部からインドシナ北部で越冬するといわれ
、9月中には日本列島から移動するとのことです。クロツグミは、
上旬には高尾山頂近辺に集まっており、中旬位まで高尾山頂近
辺やその周辺で確認されました。今年はミズキの実が近年になく
豊作でしたが、そのことがクロツグミの高尾山近辺に集中した一
因だったかもしれません。
 リュウキュウサンショウクイが、高尾山頂付近などで中旬、下旬な
どに見られました。リュウキュウサンショウクイは西の方から分布を
広げている鳥であり、高尾山では近年1年を通して確認されていま
すが、時折高尾山頂付近や稜線などで姿を見せています。
 イソヒヨドリが、高尾山口駅付近で上旬に見られました。2羽が線
路脇コンクリート壁付近で場所をめぐって争っているのが見られま
した。イソヒヨドリは、高尾山では高尾山口駅付近などで春と秋など
に時折見かけられます。


 ・哺乳類(主なもの)

姿、フィールドサインなど ムササビ(食い痕)など

 ムササビの食い痕が、稜線近くの遊歩道などで上旬に見られま
した。スギの花芽の食べられた痕のある枝が遊歩道などに落ちて
いました。


・両性爬虫類(主なもの)

爬虫類 ヒガシニホントカゲ(成体)など

 高尾山頂西側稜線近くの遊歩道付近などで、ヒガシニホント
カゲの成体が見られました。



・昆虫類(主なもの)

地面付近にいたもの クロヒカゲ(成虫)、ウラギンシジミ(成虫)、ハサミツノカメムシ(幼虫)など
 飛んでいたもの  モンキアゲハ(成虫)、オナガアゲハ(成虫)、アゲハ(成虫)、トンボ科の一種(成虫)など
建物などの壁にとまっていたもの   ルリタテハ(成虫)など
花にいたもの  イチモンジセセリ(成虫)、ヤマトシジミ(成虫)、トラマルハナバチ(成虫)、バラハキリバチ(成虫)、マルボシヒラタヤドリバエ(成虫)、ホソヒラタアブ(成虫)など
樹液を吸っていたもの  オオスズメバチ(成虫)など
 枝葉にいたもの ヒカゲチョウ(成虫)、オオチャバネセセリ(成虫)、ムラサキシジミ(成虫)、ウラナミシジミ(成虫)、ナミホシヒラタアブ(成虫)、アキアカネ(成虫)など
 汗に来たもの スミナガシ(成虫)など
鳴いていたもの  アオマツムシ(成虫)、カンタン(成虫)など

 9月は、気温の高い日が長く続き、9月にしては一月の雨量が比
較的少なかった上、ヤマハギなど樹の花や草花などが例年に比べ
少なかったせいか、花で見られる昆虫などが少なかったようです。
また樹液などに来るハチなどの昆虫なども少なかったようです。な
お花で見られた昆虫などは下記の通りです。
 ヤマハギの花で見られたのは、イチモンジセセリ、バラハキリバチ
などでした。
 ヤマホトトギスの花で見られたのは、トラマルハナバチなどでした。
 ノハラアザミの花で見られたのは、イチモンジセセリ、ヤマトシジミ、
ホソヒラタアブなどでした。
 シラヤマギクの花で見られたのは、マルボシヒラタヤドリバエなどで
した。
 

・植物(主なもの)

        オオヤマハコベ(白色)、ミヤマタニソバ(白色)、マツカゼソウ(白色)、ミズタマソウ(白色)、ヤブミョウガ(白色)、シモバシラ(白色)、シラヤマギク(白色)、オクモミジハグマ(白色)、カノツメソウ(白色)、ヒヨドリバナ(白色)、ナガバノコウヤボウキ(白色)、モミジガサ(白色)、シロヨメナ(白色)、ユウガギク(白色)、ゲンノショウコ(白色)、イヌショウマ(白色)、オトコエシ(白色)、センニンソウ(白色)、ヤマホトトギス(白色、赤紫色の斑点)、アキカラマツ(淡黄白色)、ヤクシソウ(黄色)、ノササゲ(黄色)、キバナアキギリ(黄色)、シュウブンソウ(淡黄緑色)、ツルニンジン(白緑色、紫褐色)、ツルニガクサ(淡紅色)、ミズヒキ(赤(表側)、白(裏側))、ヘクソカズラ(紅紫色(花弁の内側)、白色(花弁の外側)))、トネアザミ(紅紫色)、ノハラアザミ(紅紫色)、アズマヤマアザミ(紅紫色)、ヤマハッカ(青紫色)、アキノタムラソウ(青紫色)、ツリガネニンジン(淡紫色または白色)、ヤブラン(淡紫色)、ツルリンドウ(淡紫色)、ノダケ(暗紫色)など
樹木     〔高木〕 オオモクゲンジ(黄色)、ネムノキ(淡紅色)など
〔小高木〕クサギ(白色、紅紫色)など
〔低木〕 タマアジサイ(白色〜帯紫色(装飾花)、紫色(両性花))、ヤマハギ(紅紫色)など

〔つる〕 ミヤマフユイチゴ(白色)など
  〔小高木〕ゴンズイ(赤色(果皮)、黒色(種子))など
〔低木〕 ガマズミ(赤色)など
10月に開花の期待される草花  サラシナショウマ、シラネセンキュウ、アキノキリンソウ、コウヤボウキ(小低木)など

 9月は、暑かったせいか8月下旬に見られた夏から秋にかけて咲く草花
などが引き続き見られたり、さらに増えましたが、これらに加え秋に咲く草
花などが新たに見られるようになりました。9月下旬時点で見られた草花
は下記の通りです。
 谷で見られた花は、ツリフネソウなどが明るい斜面などで赤紫の花を咲
かせ、オオヤマハコベ、ミヤマタニソバなどがやや湿った斜面などで白色
の花を咲かせていました。
 中腹から尾根にかけて見られた花は、明るい林縁などでトネアザミ、ノ
ハラアザミなどが紅紫色の花を咲かせ、ノダケが暗紫色の花を咲かせ、
ヤクシソウなどが黄色の花を咲かせていました。またやや明るい林縁な
どではシモバシラ、オクモミジハグマなどが白色の花を咲かせていました。
 この他ヤマホトトギス、シロヨメナ、ユウガギクなどが白い花を咲かせ、ノ
ササゲなどが黄色の花を咲かせていました。またヤマハッカなどが青紫色
の花を咲かせていました。
 なお10月に開花の期待される草花については、サラシナショウマ、シラネ
センキュウ、アキノキリンソウ、コウヤボウキ(小低木)などがあげられます。
 


 


森の生態研究所